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2019年アイドルの衣装を4つのポイントから振り返る

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2019年も残すところあとわずか。

毎年言ってますが本当に早いですよね、1年。

今年1年を振り返るあれこれが増えてきた中、私も私なりの視点…「男性アイドルの衣装」を通して振り返ってみようと思います。

 

エディ・スリマンの風は穏やかに

2019年といえば2019S/Sより「セリーヌ」のチーフデザイナーに就任した(メンズは2019F/Wより)エディ・スリマンがどれだけアイドルの衣装に影響を与えるのか注目した年でもありました。

 

というのも、エディが「サン・ローラン」のクリエイティブ・ディレクターを務めていた2012年から2016年まで、シーズンを重ねるごとにアイドルのサン・ローラン着用率が高まっていたから。あっちもこっちもサン・ローラン、そんな時代でした。

 

K-POP界で衣装のひとつの”流れ”を作ったとも言えるエディ(本人は全く意図していない訳だけど)がメンズファッションの世界にカムバックしたことで、再びその旋風が吹き荒れるのかと思っていたのですが意外にもあっさり。

 

韓国のボーイズグループでメンバー全員が衣装として着用したのは、「2019 MAMA」でのBTS(防弾少年団)ぐらいでした。

maverick922.hatenablog.com

 

中国では『GQ』10周年記念式典に出席したR1SEぐらいでしょうか。

maverick922.hatenablog.com

 

作りはタイトだけども意外に動きやすいというエディの洋服。スタイル良く見せつつもパフォーマンスのしやすさが求められるアイドルにとって、ピッタリなデザイナーなのかもしれませんね。

 

2020S/S以降、着用するアイドルグループが増えるのか気になるところです。

 

コレクションブランドが使われることが激減

データなんてものはなく、あくまで体感なのですが。

2019年はアイドルの衣装にコレクションブランドが使われることが少なかった1年だなーと。パフォーマンスではそのグループの為に作られた「オリジナル衣装」を着用する所が多かったですね。個人的にこの流れはものすごく寂しい。

 

新人グループが次から次へとデビューする中で、やはりそのコンセプトとキチッとした印象を与えるコレクションブランドのイメージが合致しなかったことや、今までコレクションブランドを着用していたグループのメンバーが次々と入隊し、グループ活動が少なかったことが大きいのかもしれません。そう、着こなせる人がいなかった。

 

そういった視点で考えると、2018年の『Tell Me』活動時のINFINITEの衣装はめちゃくちゃ楽しかったです。「BURBERRY」「DOLCE & GABBANA」など色々コレクションブランドを使いつつ、韓国ブランド「MÜNN」も使われていたり。

 

この時は主にDOLCE & GABBANA


[INFINITE - Tell Me] KPOP TV Show | M COUNTDOWN 180118 EP.554

 

過去の話は止まらなくなるので(懐古厨)、ここまでにしておこう。

 

今後衣装として人気が出そうなブランド予想

2019年はコレクションブランドも少なく、「このブランド死ぬほど見た!!!!」というようなブランドも少なかったのですが(「GUCCI」や「BALENCIAGA」はもう”安定”の域ですね)(秋冬に入ってから「AMI Alexandre Mattiussi」を目にする機会がちょっと増えたかな)、個人的に今後さらに増えそうだなと思っているのは「1017 ALYX 9SM」。

 

8月に行われた「Soribada Best K-Music Award」でTXTのヨンジュンくんがベレー帽を被っていたり、

www.mk.co.kr

www.buyma.com

 

PENTAGONのウソクくんがショルダーバッグを持っていたり、

www.webdaily.co.kr

 

BRIE BAG – 1017 ALYX 9SM 690ユーロ

 

つい最近ではEXOのベッキョンくんがALYXと「MONCLER」とのコラボダウンを着ていたり(ちなみにバッグも)、

www.newsen.com

 

www.fashion-press.net

 

すでに多くのアイドルが身に着けていますし、MONCLER以外にも「NIKE」とコラボしていたりとファッション界でも評価・人気共にぐんぐん伸びているブランドなのです。

 

そんな勢いあるブランドが何故、衣装として使われることが増えると予想しているのかと言うと、ずばり「イメージしやすい」んですよね。

ALYXのアイテム一覧をざーっと見ていると、グループ全員が着た時の統一感であったり世界観がどんどん湧き出てくる。アイドルグループのステージ衣装としての「使いやすさ」を感じています。

 

2019年個人的衣装三賞

最後に衣装の個人的三賞

 

新人賞 - TXT

 

 

今年デビューしたばかりにも関わらず、「似合う・似合わない」が比較的はっきりわかれる「Thom Browne.」のスーツを全員が着用。

トムも衣装で使われることはかなり少なくなったので(BTSのジンくんは私服でよく着ているけど)、トム好きとしてはすごく嬉しい衣装でもありました。

 

事務所の先輩・BTSとグループのカラーは異なりますが、衣装にしっかりお金をかけて、遊び心もあるところはしっかり受け継がれていますね。あと、メンバーの身長・スタイルが今後もっと活きてくるだろうから楽しみ。

 

作品賞 - NCT 127『SUPERHUMAN』

korealove-girls.com

 

今年、何度も言及してきたNCT 127『SUPERHUMAN』ですが、この時の胸の高鳴りを超す衣装は結局現れず。

やはり日本国内でもこれだけ揃うことが無い日本ブランド「TAKAHIRO MIYASHITA the Soloist.」がこれでもかという程使われていること、決して安くないもに潔くハサミを入れていること…間違いなく今年一番興奮した衣装でした。

 

ちなみにソロイストの青山のショップ、2011年のオープン当初は完全アポイントメント制で入りにくい印象でしたが、この秋、渋谷パルコにオープンしたショップはめちゃくちゃ入りやすいですよ。韓国では狎鴎亭ロデオの10 Corso Como Seoulにて取り扱いがあります。(※値段は日本の2倍ほど)

 

大賞 - BTS(防弾少年団)

やっぱりね、BTSは衣装も凄いんですよ。衣装に関して言うと、他のK-POPグループと規模が全く異なる。一番大きな違いはその「早さ」

 

maverick922.hatenablog.com maverick922.hatenablog.com

 

 ファッションショーで発表された後、ショップに並ぶまでは大体半年ほどある訳ですが、BTSの場合はその”発売前”に着用しています。

発売前に着るということは、事務所の予算やスタイリストのセンスとは別問題。”そのグループに影響力があるか”という話になってきます。「着用されることによってブランドが話題になる、売れる」とブランド側が判断していると解釈出来ますからね。そのような判断を韓国ブランドではなく、世界的なコレクションブランドから下されているのが凄い。

 

最近、ジミンくんのマスター・LSSTが撮った写真がサン・ローラン側からパリ本社、アジアオフィスでの資料用として使用できないか、とコンタクトがあったという話があって。

ブランドがアーティストの事務所に連絡するのではなく、ファンにお願いするという…何とも韓国アイドルならではの構図ですが、やっぱりファンが撮る写真が綺麗なのは事実ですし、衣装のディテールが分かりやすいですよね。

そして、ブランド側もしっかりリサーチしているんだなと個人的に感心した一件でもありました。

 

年が明ければすぐに始まるメンズのコレクションウィーク。すでに渡欧し、準備しているモデルも多いです。服オタとしてもどのモデルがどのブランドを歩いたか、そして気になるブランドのルックのチェック等々で忙しい時期がやってきます(勝手にやってるだけ)。

 

今年、フロントローを飾ったアイドルは中華ドルがめちゃくちゃ多かったですが、その顔触れに変化はあるのか。モデルや洋服だけでなく、フロントローからも目が離せませんね。