最近、K-POPアイドルの衣装が「面白くない」「楽しくない」と嘆くことがすっかり多くなってしまいました。
衣装に関する評価は完全に個人の好みに左右されますが、中学生の頃からアイドルの衣装・私服特定厨だった私にとって「面白い」「楽しい」と思うのはスタイリストの服への異常な愛を感じられる場合や、服そのものに希少性がある場合が多いのかなと。
例えば、今年5月に発表されたNCT 127の『SUPER HUMAN』。
ティザーイメージではメンバー全員が日本ブランド「TAKAHIROMIYASHITA The Soloist.」を着用。デザイナーの宮下貴裕氏は「NUMBER (N)INE」時代に圧倒的な人気を集め、木村拓哉、亀梨和也ファンにとってはお馴染みのブランド。
日本でも多くは出回らないアイテムを使った(メンバーによってはハサミを入れて)(ソロイストの値段と希少性をわかっている身としては切られていることに気づいた時は震えた)NCT 127のコーディネートに大興奮でした。世界で私だけかもしれない。
最近はすっかりグループの為に作られたアイドル衣装を着るK-POPグループが多くなり(そちらの方が安上がりなのかも)、寂しく思っていたところ世界の防弾少年団(BTS)が「MMA 2019(Melon Music Awards)」でやってくれました。
[#오늘의방탄] 언제나 등불이 되어주는 우리 아미들 덕분에 MMA에서 8관왕! 감사해요💜 #상탄소년단 🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆🏆 #아포방포 #우리아미상받았네 pic.twitter.com/EJCXXsQowB
— BTS_official (@bts_bighit) November 30, 2019
レッドカーペットでは「PRADA」2019F/Wを中心に。
「PRADA」2019F/W ハートピンバッジ ¥62,700
スーツの上にカーディガンやおばあちゃんの手編みのようなハート型のブローチ、ニットをタックイン…などなど庶民には若干理解しがたいコーディネートは決してスタイリストが血迷ったわけではなく、2019F/Wコレクションで発表された着こなしそのまま。そう、これが「公式」なのです。
ジョングクのジャケットの胸につけられたブランドロゴのブローチはまだ発売前の2020S/Sのアイテム。発売前のアイテムを身に着けることができるグループはやっぱりすごいです。
ショーではチョーカーのように使われているのだけど、果たしてこれは何なのだろうか…?
レッドカーペットだけでなく、パフォーマンス時の衣装からも目が離せません。
『Intro Persona』は「Louis Vuitton」を着たRMから始まり、『Mikrokosmos』ではメンバー全員が「Dior HOMME」ベース。BTSのパフォーマンスのように間髪入れずハイブランドの大渋滞!!!
個人的に最も度肝を抜かれたのは最後に披露した『Dionysus』でメンバー全員が着ていた「ALEXANDER McQUEEN」。
一番力のこもっていたパフォーマンス、迫力ある演出はもちろん素晴らしいのですが、この「ALEXANDER McQUEEN」も凄いってことを力強くお伝えしたい。
ちなみにBTSは今年5月の「2019 Billboard Music Awards」でもマックイーンを着用していました。
マックイーンはイギリスのブランドで、ブランド名にもなっているアレキサンダー・マックイーン氏は2010年に亡くなっています。彼の死後もブランドはしっかりと受け継がれていて、日本だとスカル柄のスカーフが一時期流行りましたね。ジャニーズも結構つけていたような。
マックイーンの何が凄いのかと言うとそのディテール。レースや刺繍、シルエット、その他装飾のすべてが職人の手によって作り上げられ、服というよりは「芸術品」という言葉が相応しいアイテムの数々。
繊細でありながらスタッズやスカルなど棘や毒を感じさせるものが織り込まれていて、その絶妙なバランスに私は昔から憧れを抱いています。
中学校時代、スカルにはまっていて(これもジャニーズの影響)、マックイーンの髑髏は最上位の髑髏だと思っていました。値段や上品さの面で。マックイーンの髑髏はファッション髑髏界において一番シュッとしている。
BTSが着用していたのは2019F/Wと2020S/Sのもの。
ジミンのジャケットは2020S/Sのアイテムで、映像を見られた方はわかると思うのですが背中もレースになっています(上記サイトのLook 19の右)。これがメンズだなんて本当に素晴らしい。
「Alexander McQueen」2020S/S レースイブイングジャケット ¥464,200
J-HOPEのシャツはLook 3の左。ジャケットはLook 5。アシンメトリーで流れるような線が美しい。きっと歩いた時の揺れ方まで美しいのだろうなと考えてしまいます。
「Alexander McQueen」2020S/S キルトジャケット ¥438,900
こちらはフレスコモヘア製のカラーはシャークグレー。J-HOPEはブラックなので(生地も違うかも)、値段が異なる可能性あり。
ジョングクのジャケットは2019F/W(Look 27の右)。こんなにギラッギラしていますが、ステージの為に作られたという訳ではないのが面白い。でも、着る人はみんな芸能界か社交界の人だろうなあ…という現実。
ジンのジャケットもマックイーンのものです(2019F/Wなのかな?)。
プリントではなく刺繍です。そう考えると36万円がお安く思えてしまうマジック。
あとアクセサリー(指輪やブローチ)にもマックイーンが使われています。RMの右手人差し指の指輪もそう。
ジミンのネックレスはこれの色違い。
このイヤリングはペアで販売されているのだけども、ジミンとVでつけているのかな?
アクセサリーを特定するにはアップの写真が不可欠。という訳でざっくり紹介するに留めておきます。
最近、K-POPアイドルの衣装が楽しくないと嘆いていた訳ですが、やっぱり世界のBTSはどこよりも早く、興味深いアイテムで揃えてくるわけで。「ああ面白いな」と今回、改めて感じたなあ。
これからまだ授賞式は続くので他のグループも面白いファッションを見せてくれると、楽しみにしておこう。
ちなみに今回紹介した記事はもちろん、他にもBTSの衣装紹介記事を書いているので是非チェックしてみて下さい。