私には放送終了後も心の中でかなりの割合を占めている番組がある。
それは2017年10月から2018年2月にかけてKBSで放送された『THE UNIT』。
『プロデュース101 シーズン2』(以下プデュ2)の社会的大ヒットを受けて、韓国ではサバイバルオーディション番組が次々に制作された。あのYG Entertainmentが主導したJTBC『MIXNINE』とほぼ同時期に放送されたのがこの『THE UNIT』。
[M/V] THE UNI+ (더유닛) - 마이턴 (My turn)
『プデュ2』の『나야나(PICK ME)』にあたる、いわゆるテーマソングがこちらの『My turn』。私は初めて見た時の感想を今でも鮮明に覚えている。
Jr.マンションやん。
と、同時に
嫌いなわけないやん。
『THE UNIT』のテーマソングは元ジャニオタの心をこれでもかという程くすぐってきた。
『THE UNIT』未視聴者に簡単にプデュシリーズとの違いを説明すると、デビュー未経験の練習生の参加が多かったプデュシリーズとは異なり、『THE UNIT』の出演者はデビュー済みのアイドルが対象。デビューしたものの日の目を見ないまま活動してきた、そんな子たち。残念ながら韓国にはそんなアイドルがごまんと存在するし、そのまま埋もれ、消えてしまうのが惜しいほどの実力を持ったアイドルも数えきれない。
ボーカルバトルではデビュー済みの貫禄というか、圧倒的パワーを感じさせられる。何よりも安定感。デビュー前の練習生にありがちな危うさというものは一切ない。
더 유닛 The Unit - 남자 보컬 노랑 유닛의 진심이 담긴 ‘U R’.20171216
더 유닛 The Unit - 남자 보컬 초록 유닛이 들려주는 ‘12월의 기적‘ .20171216
歌の上手さに対する最上級の誉め言葉「口からCD音源」が相応しいアイドルがこれでもかと勢ぞろい。
中でも100%のロッキョン(『U R』チーム)は同業者もアドバイスを求めるほどの存在。個人的にロッキョンはK-POPアイドルの中でトップに君臨する歌唱力を持っていると思う。抜群の安定感、余裕さ、声量、余裕さ、そして余裕さ。映像や音源ではなかなか伝わらないが、生で聴くとさらに圧倒される。「生きてて良かった」「恵みをありがとう」なんて言葉が次から次へと心の中に沸き出てくる。是非、未体験の方にも感じていただきたいが、残念ながら只今入隊中。除隊しても歌い続けてくれると楽しみに待っています。是非、除隊後に実際にその歌声を聴いていただきたい。
『12月の奇跡』チームはIMFACT ジェオプの「口からCD音源」具合が凄い。彼の歌声も何度か生で聴いたことがあるのだが、抜群の安定感。聴いていて”気持ち良い”と思わされる。そんな彼が所属するIMFACTは新大久保で絶賛公演中なので是非。
K-POPにハマってから初めて経験した感覚なのだが、歌が上手い人が集まって歌うとあまりにも個の圧が強すぎて、聴いていて疲れを感じることがある。それぞれが"俺！！！上手いでしょ！聴いて！！！"といった具合に主張してきて、結果として全体的なバランスが悪くなってしまう。上手すぎるが故の現象。それも凄いのだけど。
ここまで強い人間が集まっているにも関わらず、疲れを感じさせないのがこの2曲の特徴と言えるかもしれない。
K-POPでもそうだろうが、ジャニーズではそれ以上にハモりの相性もしっかり考えてグループが作られているのだなと思ってしまう。仁亀。
ちなみに最終回では私の中の二大「口からCD音源」が共演。まさに神々の共演、オールスター戦です。
더 유닛 The Unit - TEAM BLUE의 치명적인 속삭임 ‘Dancing With The Devil’.20180210
番組のオリジナル曲で最も好きな『No Way』。こんなに良い曲なのにこの時の評価が悪かったんです。(最下位だっけ?)
放送当時、延々と「なんで？どうして？」って言ってたけど、今でも言ってる。この5人でちょっとデビューしても良いよとまで言ってたぐらい好き。
더 유닛 The Unit - No Way - 유닛빨강.20180113
ジェオプと共にメインボーカルを務めるテホもIMFACTのメンバー。2人の歌声が気になった方は新大久保へ是非(2回目)。
さあここまでボーカルの話ばかりだったので、ダンスにも触れておこう。
『THE UNIT』のダンスパフォーマンスで印象に残っているのはやはりこれ。
더 유닛 The Unit - 남자 퍼포먼스 검정 유닛 ‘Stay + 사슬’.20171216
HOTSHOT キム・ティモテオ(ムンギュ)の世界観がこれでもかという程詰まっています。そもそも『THE UNIT』を見始めたのは私が推しているHOTSHOTからティモテオとコ・ホジョンの2人が出演したから。
ティモが描く世界は本当に美しい。いつもその素敵なセンスに脱帽する。インスタのセンスめちゃくちゃ好き。
ちなみにこのチームには『プロデュース X 101』からX1としてデビューしたイ・ハンギョルもいます。
どうして『THE UNIT』はこんなにも私の心を掴んで離さないのか。特に「推し」がいた訳でもないのに。
それはやはり、私がこれまでK-POPで推してきたグループと出演者の「層」がドンピシャだったことが大きいのかもしれない。”このグループのボーカルとあのグループのボーカルが一緒に歌ったら面白いのにな”という類の妄想を現実にしてくれた夢の番組でもあったなと今になって思う。
視聴率的にも番組からデビューしたUNB的にも大成功を収めたと言えないかもしれないけども、番組放送終了後も人の心から離れない番組はそうないと思っている。たとえそう思っている人が私1人でも。
番組内のミッションで1位になったグループは年末に行われるKBSの各授賞式に出席することもあったのだが、K-POPにハマってからというものの、音楽番組で1位を取ったり、年末の授賞式に出席したりするようなグループを推したことがない私にとって、それは初めて年末が楽しみになった瞬間でもあった。きっとその楽しみはこの先ないだろう。
ちなみにUNBの楽曲ではデビューアルバムに収録されている『Only One』が一番好きなのだが、この桜並木で踊った時が本当に綺麗で。晴天・抜け・桜、と撮りオタの血が騒ぐ条件が揃いまくり。
UNB(유앤비) 'Only One' Busking Stage (윤중로 벚꽃길 버스킹, The Unit, 더유닛, 보이후드, Boyhood)
そして撮影者によって聴こえ方が異なるのだが、ただ音源を流して踊っていただけのパフォーマンスの途中からジュンくんが地声で歌い始める。本当に小さなことかもしれないけど、その意識にすごく感動して。こういう所におばさん弱い。
番組を通してずっとデビュー圏内にいたティモが最終回でデビュー組から外れた時は久々に打ちひしがれていたけども、去年のHOTSHOTサイン会で本人が晴れ晴れとした表情で「こうなって(落ちて)良かった」みたいなことを言っていて、私の心まで清々しくなったのを覚えている。
あと『THE UNIT』で印象に残っているのが、序盤のオーディションシーンで一瞬映ったAFOSとして活動していたHU、ZETTの姿。
果たしてこの2人に気づいた人はいるのだろうか。そもそもこの2人を知っている人はいるのだろうか。と心配になった思い出。
ちなみにHU(今の活動名はTRIGGA)は現在入隊中、ZETTはよくわからない。チーム光州なのでBTSのJ-HOPEたちと仲が良いよう。
AFOS (아포스) - LAST WINTER (메이킹 필름 영상)
見た目はかなり治安が悪いが()本当に良い曲。ちなみにジュエン(金髪モヒカン)はプデュ2に出演していました。(チェ・ジュニョン名義)プデュ2終了後はVLIVEとかしていたのだが、今何してるんだろう…ほんと「今何してるんだろう…」っていう人多すぎる。寂しい。
相変わらず話が右往左往してしまったけども、まだしばらくは『THE UNIT』の呪縛霊から成仏出来そうにない。
