ついに!
韓国は釜山で「オペラ座の怪人」韓国語公演を観てきました。
まずは記憶が薄れる前に音源との違い、日本版との違いなどをだーーーーーーーーっと並べていきたいと思います。自分の為のメモです。
クライマックス部分にも容赦なく触れているのでお気を付けください。
※4月12日ソワレ、13日ソワレを観劇
09年版音源との違い
2009年の韓国語版「オペラ座の怪人」からは、全体的に歌詞が変わっています。印象的なフレーズがそのまま残っている曲もあるのですが、歌詞が全く変わっていない曲はなかったかと…
09年版の「Final Lair」についてはこちらで詳しく書いています。
帰国してから気になった歌詞についてTwitterで調べていたところ、衝撃の事実にぶち当たりまして。
ファントムを演じる俳優によって歌詞が違う
私にとってはあまりにも大きな事実過ぎて、一晩経ってもまだ消化しきれていません(大げさ)。歌詞が違うと言われているのは、「Music of the Night」と「Final Lair」の"我が愛は終わりぬ 夜の調べと共に"の部分です。
ファントムの最後のメロディー、ヤン・ジュンモさんが歌う音源では「내 노래를 날게 해주오. 내 끝나버린 밤의 노래여」。スンウさん出演回を観た時、まず「그대」という言葉が耳に飛び込んできて。この部分の歌詞を間違うことはまずないだろうし、きっと私の聴き間違い・勘違いだろうと思っていたらこの事実に出会いました。…深すぎる。
韓国のファンの間でも色々と議論されている(テキストとして歌詞が出た訳ではないので、聞き取りのみでの情報)ようで…
첨언하자면 팬텀 셋 다 뮤옵나 최고음(Ab4) 하이라이트 근처 가사가 다른데(오유탐 비계에서 많은 분들이 여러날 전부터 논의 중인 것)
— 🧊L👻🌹❄ (@Bluebirdlotte1) 2023年4月13日
조승우: 니 영혼 다시 태어날 순간
김주택: 니 영혼 나를 원한 이 순간(09 재연때랑 같음)
전동석: 니 영혼 ???? 그곳에 https://t.co/vuabw8tYT0
それぞれの言葉、ニュアンスの違いを感じられるネイティブが本当に羨ましいなと思った次第です。やはりいくら勉強しても外国語である以上、限界がありますからね。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、2回観劇で気づけた音源との違いについて触れていきます。
大きく違うなと思ったのは「ザ・ミラー」と「The Phantom of the Opera」。語尾が変わっている部分が多い中、この2曲は訳のアプローチが変わっていたという印象でした。
「All I Ask of You」ラスト、クリスティーヌの사랑하길が사랑해줘(요)に。私が韓国語版で一番好きなフレーズ언제나 어디든 영원히(どんな時でもどこでも永遠に)はそのまま。英語詞は「Anywhere you go let me go too」なので、本当に素敵な訳ですよね…(ちなみに日本語は「共にどこまでも二人で」これもだ大好き)。これ以上の訳はない!という判断だったのかもしれませんね。ありがとうございます。
「Final Lair」は"母にも嫌い抜かれて"の部分に当たる엄마도 피했지(避けた)が、버렸다(捨てた)に。前に動詞が来ていたら完了形なのだけど、おそらく「捨てた」だったかと。この変更は切ない。
クリスティーヌの믿었어요 그대(信じていた、あなたを)が믿었는데 그대(信じていたのに、あなたを)に。
ファントムとラウルが同じ詞を歌う「모든 것, 이미 결정된 것」は変わらず。
四季版との違い、気になった点など
私が一番回数を観ているのが劇団四季版ということもあり、"あ、違う"と思ったところを中心に箇条書きで色々と。客席から笑いが起きるシーンが多く、それも新鮮でした。
Overture~ハンニバル
- シャンデリア、プロセニアム・アーチの布が引っ掛かりやすいのか外す際に苦戦(別日のレポでもよく見かけた)。プロセニアム・アーチに関しては下からは完全に外せず、ボックス席ぐらいの高さから人が出てきて外した。
- マダム・ジリーが中央に出て行こうとするカルロッタ&ピアンジを制止する。正しいタイミングが来ると、行かせてくれる
- クリスティーヌは出てきてすぐにマダムにはけさせられる(クリスティーヌ役がバレエ踊れないため?お2人のバレエ経験について情報求)ので、繋がりとして"何故だろう"というのがある。クリスティーヌ2人の踊らない度合いも違ったかも。
- 舞台袖でガンガンと大道具さんが作業しているような音がかなり大きめに聞こえる
- 象の中はワイン?飲んでいる
- クリスティーヌとメグは離れて座っている
- ピアンジの「素人どもが」は「アマチュア」と英語詞通り。客席からは笑い
Think of Me
- ボックス席のラウルはプログラムを見て、クリスティーヌに気づく→オペラグラスを貰う
- ボックス席はかなりセンターにまで寄る
楽屋
- マダムの「メグ・ジリー、あなたダンサーでしょ」は「연습 안 하니(練習しないの)?」だったと思う。この言い方も怖い。その後のメグちゃんの「お稽古ばっかり」は「맨날 연습만」。言い方がめっちゃくちゃ可愛い
怪人の隠れ家
- ドンソクさんファントムのほふく前進はめちゃくちゃ速くて怖い。全体的に動きが素早い
Magical Lassoo
- 奈落が無いのでダミーのファントム&クリスティーヌは舞台を横切る
支配人のオフィス
- フィルマンがラウルに対して、後付けで「~요」と言う(後から敬語に直す)
- ラウル「会いたいな」が「만나야 해(会わなければ)」
プリマ・ドンナ
- 노래를 다시 한번 다시 한번(歌え)の動きが斜めに1列に並んでから、横1列に変わる
イル・ムート
- ファントムに座るなと言われた5番のボックス席に座ったラウル「いちいち奴の言うことに従うのかね」が、韓国語では「ここしか空いていなかった」に
- ドン・アッティーリオのヘアメイクがめちゃくちゃ可愛い。ウィッグにリボンがたくさんついている&ミッキーのようなお団子ヘアもあり
- 首吊りブケー、緞帳があがった瞬間にファントム(ダミー)がはける
All I Ask of You(リプライズ)
- 天使像からファントムの震える手が先に出てくる。その時間が長い
- 「イル・ムート」のカーテンコールをラウルが舞台端で見守っている。シャンデリアが落ちてくる時は自分が盾になってクリスティーヌを抱きしめる
マスカレード
レッドデス
支配人のオフィス2
- カルロッタ「あの人頭が変よ」は「미쳤네(狂ってるね)」ここでも笑いが起きる
ドン・ファン稽古
- ムッシュー・レイエの歌い方を誇張モノマネするようなピアンジに笑いが起きる
Wandering Child
- 「お前たち2人に宣戦布告だ」後は熱いぐらいの火柱があがる。火球の調子は日本と同じく日によりそう(調子が良ければかなりの速球)
Down Once More
- ドリームシアターの高さがかなりあるので、ラウルが飛び込むシーンも高め(すごい)。その後は奈落から上がってくるのではなく、駆け込んでくる
チョ・スンウファントムの「Final Lair」
前提として「Final Lair」はキャストの組み合わせやあらゆるタイミングによって、物語の結末の印象が大きく変わるシーンだと思っています。
あくまでも一個人の感想として読んでいただければ嬉しいです。
「Music of the Night」のロングトーンなどは、これからの変化が楽しみだなと冷静に思っていたところ「Final Lair」で溶かされてしまいました。”スンウさんは泣ける"という感想をよく見かけたのですが、その言葉だけが先行するのも…と思ったので、個人的に感じた"泣ける"理由を書き残しておきます。()内は四季版の歌詞。
ラウルに인정해 우리를と言われてから、怒りのボルテージがぐっと上がる。「이 세상 날 인정 않았지(この世界は私を認めなかった)」がめちゃくちゃ怒っている。
クリスティーヌにキスされた後は、かなり時間をかけて丁寧に手に触れる(近くでもう一度観てみたい)。
가라 지금 떠나라 날(行ってくれ)は絶叫。喉が心配になるほどの痛々しい絶叫で息を飲む。怒ることによって必死に自分自身を保っているような姿のファントム。
クリスティーヌが戻ってくると一瞬表情に柔らかさが戻る。しかし指輪を外すクリスティーヌ(ファントムと視線を交わす→指輪を外すが勧告ではデフォルトという認識でOKなのかな。個人的にはこのパターンがファントムのダメージMAXだと思っている)。
크리스틴 사랑해(クリスティーヌ、アイラブユー)で사랑해と伝える前に、自分の胸のあたりを撫でるようにして言葉を絞り出す。ずっと伝えたかった、大切にしたかった言葉をようやく言えた感が本当に強い。
"友達"猿のオルゴールに縋りつくような姿が痛々しい。猿の顔を覆って"マスカレード"を歌う時はもはや這っていくよう。椅子抜け前もただ触れるのではなく、抱えるようにしていたのが切なかった。
これはFinal Lairだけのことではないですが、スンウさんファントムは「呼吸」がとても印象的でした(ex.PoNR歌い出しの前など)。
きっと椅子抜け前の表情も美しかったんだろうな…
ソウル公演では肉眼で表情が見えるような席でスンウさんファントムを観てみたいと思っています。…血ケッティング…がんばろ