Nihilismus

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『プロデュース101』事件を受けて改めて「アイドルファースト」を考える

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連日報道されている『プロデュース101』シリーズを巡る事件。

新事実が明らかになる度に、「”アイドルファースト”は全く存在しないのか」と悲しくなります。

 

最近、ようやく「選手ファースト」「アスリートファースト」なんていう言葉が一般的になってきましたよね。私は大学時代にJリーグのとあるチームで1シーズン間、インターンをしていた事があったのですが、その時にお世話になった方が教えて下さった言葉が「選手ファースト」でした。

 

選手のことを第一に考える。何よりも選手のことを優先する。

例えば、サッカーの試合前には様々なイベントが行われます。歌やダンスのイベントや地元市町村によるイベントなどなど。とにかく、イベントと言えば着ぐるみ着ぐるみ久着ぐるみ。その着ぐるみの動線(大きければ大きいほど移動に時間がかかるし大変)と選手の動線が被らないように気を付けたり。本当に”え、そんな事?”って思うほど些細なことなんですけど、選手には試合のことだけを考えてもらえる環境を作る。試合以外のストレスを与えない。それが「選手ファースト」だと教わりました。

 

私はアイドルに対してもそのような考え「アイドルファースト」が浸透すれば良いなとずっと考えていて。アイドルにはステージ上でのパフォーマンスにだけ集中してもらいたい。その他の場面でストレスを受ける必要はないと。受ける必要のないストレスを出来る限り排除することが周りのスタッフの仕事だと考えています。

 

「じゃあファンサービスは?」なんていうツッコミも入りそうだけど、あくまでも”サービス”ですからね。その子のアイドルという職業へのモチベーションが一番見られるところでもありますけど。その”サービス”を引き出すのがオタクの力の見せ所ではないでしょうか。

 

でも、そのような環境が完璧に実現出来るとは思っていません。アイドルは”お金を稼ぐ”必要があるのですから。アイドルは「種族」ではなく「職業」。会社員、公務員、自営業、アイドル。みんな生活の為にしていること。だからこそ、今回の騒動に繋がった訳でもあって。人間お金に弱いもんです。

 

私は『プロデュース101』シリーズなどオーディション番組はそんな”大人の思惑”を読み取ることも面白さの一部と捉えて、見守ってきました。そんな見方が当たり前だとまで思っていました。のこの御時世、何のバイアスもかかっていないオーディション番組が存在するのだろうか。

 

それでも。

やっぱり、能力がある子たちの機会が”大人”によって潰されることは悔しいし悲しい。オタクだもの。

アイドルに限らず、「機会」というものは他人によって奪われるべきものではない。自分で取りに行こうとせずに「奪われた」なんて言っている人は論外だけど。

 

今はどうか、アイドルのことを大切に考えてくれる”大人”がまだ韓国の芸能界にいてくれと願うのみです。そして、今韓国でアイドルになりたいと思い、一生懸命努力している子たちには決して諦めないでいて欲しい。言葉では言い表せないほど厳しい道しかないけど。

今回のことに限らず、アイドルが”大人”たちの捨て駒として散っていくのはもう十分。

 

そんな言葉の裏で。真っ直ぐで情熱的な志を持って業界に入ってきても、そんな心は早々にボッコボコに打ちのめされて、生き残っていくためには周りに染まり流されていくしかないという現実が存在しているのもわかっている。